循環型社会の
最前線
5市1町が共同で運営するゴミ処理施設で、
広域連携の力と循環型社会の実現に向けた取り組みを学ぶ。
視察の概要
📍 東埼玉資源環境組合 第一工場の位置(越谷市)
なぜ東埼玉資源環境組合を視察したのか
新人議員の知見を深める
令和6年7月の改選後、新たに3名の議員が加わった
- 三郷市内および近隣の公共施設を実地に見学
- 地域の諸課題に対応するための知見を深める活動の一環
- 給食センターや消防施設に続く施設視察シリーズ
広域連携の実例を学ぶ
5市1町共同運営の先駆け
- 越谷市・草加市・八潮市・三郷市・吉川市・松伏町の広域行政
- 令和7年4月からの消防指令センター共同運用を踏まえた学び
- スケールメリットを活かした効率的な運営
施設の現状と未来を把握
稼働30年、プラント更新事業の最中
- 平成7年の稼働開始から30年が経過
- 全国的にも珍しい焼却しながらの炉更新
- 令和7年〜令和19年の11年間の更新計画
第一工場の規模
組合の保有施設
5市1町のゴミ処理を支える複数の施設を運営
| 施設名 | 所在地 | 主な機能 |
|---|---|---|
| 第一工場(リユース) | 越谷市 | 可燃ゴミの焼却処理 |
| 大規模堆肥化施設 | 越谷市 | 剪定枝・草の堆肥化 |
| 第二工場(パーシくん) | 草加市 | ガス化溶融炉による焼却 |
| 汚泥再生処理センター | 八潮市 | 浄化槽汚泥等の処理 |
| 最終処分場 | 吉川市 | 埋立処分(現在は埋立停止) |
ゴミ処理の流れ
搬入から焼却、発電、灰の処理まで
搬入と計量
自動計量システム
ゴミ収集車は専用カードで自動計量され、コンピューターが自治体別に集計。どのゲートに投入するか指示が出る。
プラットフォーム
螺旋状のスロープを約200メートル上がって到着。扉は自動開閉で臭気漏れを抑制。雨水を利用したタイヤ洗浄も実施。
ゴミピット
縦90m×横60m×深さ31mの巨大空間。約1週間分(約4,000トン)を貯留。クレーン(1回約2.5トン)で攪拌し、約15分に1回焼却炉に投入。クレーン操作は産業廃棄物の混入確認のため手動で行われている。
焼却と有害物質除去
高温燃焼
850度以上の高温で燃焼し、ダイオキシン類などの有害ガス発生を抑制。中央操作室で24時間365日監視。
排ガス処理
バグフィルター(ろ過式集塵機)で有害物質を除去。約7年に1回交換。法定基準値を大きく下回る排出を確認。
臭気対策
焼却用の空気をゴミピット内から吸引することで、ピット内を常に負圧状態に保ち、臭気の外部漏出を抑制。
発電と熱利用
タービン発電
焼却熱で300度以上の高温高圧蒸気を発生させ、2基のタービン発電機で最大24,000kWの発電が可能。令和6年度の発電量は約89,800万kWh。
売電
約24,000kWhは工場内で使用し、残りの約65,000kWhは小売電気事業者に売電。1日あたり約20万〜30万円の売電収入。
温水利用
高温高圧蒸気を利用して温水を作り、工場内の給湯・冷暖房のほか、周辺施設への熱供給にも活用。
焼却灰の処理
外部搬出
主灰と飛灰は薬剤処理後、秋田県・山形県・埼玉県寄居町などの最終処分場へ搬出。かつては施設内の溶融炉でスラグ化していたが、エネルギー消費・CO2排出の観点から休止し、外部搬出に切り替え。
堆肥化事業
焼却処分せずに資源として有効活用
受入と破砕
搬入
5市1町から発生する剪定枝・落ち葉・刈り草を受入。年間搬入量は約1,000トン程度。枝と草は堆肥の混合割合や破砕方法が異なるため分けて搬入。
3段階の破砕
1次破砕(12cm)→ 2次破砕(5cm)→ 3次破砕(枝のみ、2.5cm)。3次破砕では防爆処理を実施し、木質を柔らかくして吸水性向上と微生物分解を促進。
発酵と製品化
6か月間の発酵
14区画の発酵棟で枝と草を各35トン(計70トン)投入。2週間に1回攪拌し、温度は70度程度まで上昇。毎年12ロット程度を製造。
厳格な検査基準
国の基準(400ベクレル/kg以下)に対し、組合独自基準は食品基準と同等の100ベクレル/kg以下。70トンの原料から25〜30トン(約40%)の堆肥を製造。
販売
毎週月曜日9:30〜11:30、10kgあたり100円で5市1町の住民限定に販売。品質の良さと価格の手頃さで好評。
分別の重要性と課題
火災リスク
スプレー缶や乾電池、リチウムイオン電池が可燃ゴミに混入すると、焼却時に火災や爆発の原因に。視察当日もリチウムイオン電池が原因と思われる火災が発生。
リサイクル阻害
アルミ缶やペットボトルなど、本来リサイクル可能なものが可燃ゴミに混入すると資源の無駄遣いに。プラスチック資源循環法の施行により、分別の流れが加速。
啓発活動
リユース祭り(11月)、夏休み親子スクール(埼玉県内最大規模)、小学校の施設見学などを通じて、住民の分別意識向上に取り組んでいる。
視察から得た4つの学び
広域連携の重要性
5市1町による共同運営は、スケールメリットを活かした効率的なゴミ処理を可能にしている。今後の消防指令センター共同運用など、他の広域連携事業の参考となる。
分別の徹底
火災事故の防止、リサイクルの推進、処理施設の安全運転のため、住民一人ひとりの分別意識が極めて重要。議員として、市民への啓発活動に積極的に関わっていく。
循環型社会の実現
発電・売電、堆肥化事業など、単なるゴミ処理にとどまらない資源循環の取り組みが進められている。三郷市としても、これらの取り組みを市民に広く周知し、協力を呼びかけていく必要がある。
施設の持続可能性
プラント更新事業により、今後も安定したゴミ処理が継続できる体制が整備されつつある。構成市町の一員として、適切な負担と協力が求められる。
視察の様子
東埼玉資源環境組合 第一工場ゴミ処理施設(リユース)を視察しました
東埼玉資源環境組合の議場
地上80メートルの展望台からの眺望
実物大ゴミクレーングラブバケット前での集合写真
施設前での集合写真
議員それぞれの学び
視察を通じて得た気づきと、市民への想い
百聞は一見に如かず、市民の皆さんもぜひ見学を
百聞は一見に如かず。議員だから視察ができるということではなく、一般市民の方々も見学可能である。町会やグループでの見学を通じて、ゴミ分別の意識を高めていただきたい。
ゴミ処理の重要性を改めて痛感、啓蒙活動に取り組みたい
今回の会派視察では、給食センターや消防施設に続き、こうした公共施設を見学させていただいた。私自身、これまでゴミ処理施設にはあまり関心を持っていなかったが、今日2時間以上かけて職員の方にご説明いただき、ゴミ処理や環境問題の重要性を改めて痛感した。もっと勉強して、市民の皆さんにゴミ処理の問題をどう解決していくか、啓蒙活動に取り組んでいきたい。
全てがエコ、循環型社会の実現に向けた取り組みが随所に
全てがエコだと感じた。雨水の利用、発電による熱利用、堆肥化など、循環型社会の実現に向けた取り組みが随所に見られた。皆さん、ゴミの分別をしっかりやりましょう。
ここは最後の砦、分別された状態で搬入できるかが重要
ここは最後の砦であり、各市そして個人がここに来るまでの間でいかにゴミを適切に処理し、分別された状態で搬入できるかが重要。ゴミを見ていると世の中の動きが見えるという職員の言葉が印象的だった。
担当者への質疑応答
創政MISATOメンバーが組合担当者に質問した内容と回答
※ 本質疑応答は、視察時のやり取りを創政MISATOが独自にまとめたものです。正式な回答については東埼玉資源環境組合の公式見解をご確認ください。
定期点検時に状況を確認し、約7年に1回程度交換している。
年間を通じて搬入量に波がある。特に多いのは以下の時期。
- 年末年始明け: カレンダーの関係で1月4日頃まで休みのため、その後に集中
- ゴールデンウィーク明け: 5月の連休中は収集が止まるため集中
- お盆明け: 8月のお盆期間中の収集停止後に集中
運転上はプラスチックはカロリーが高く燃焼効率は上がるが、CO2排出量が増加する。令和4年のプラスチック資源循環法施行により、プラスチック分別の流れが進んでおり、将来的には分別が標準となる見込み。
基本的に各市町の環境担当課が住民周知を担当。組合としては環境組合連絡協議会を年1回開催し、構成市町と情報共有を行い、分別徹底の依頼を行っている。
基本的に収集車による搬入が原則だが、詳細は各市町のルールによる。
三郷市民に伝えたいこと
分別は「安全」を守る行動
スプレー缶やリチウムイオン電池の混入は火災の原因に。正しい分別は、施設で働く人と地域の安全を守ることにつながる。
ゴミは「資源」に変わる
焼却熱で発電し、剪定枝は堆肥に。ゴミ処理施設は単なる焼却場ではなく、エネルギーと資源を生み出す循環の拠点。
「見て知る」ことの大切さ
一般市民も見学可能。巨大クレーンや焼却炉を目の当たりにすることで、ゴミ問題を自分ごととして考えるきっかけになる。
視察経費
近隣施設視察(車移動・日帰り)
政務活動費の支出なし
東埼玉資源環境組合は三郷市が構成市町として参加する一部事務組合であり、近隣に所在する施設です。本視察は会派メンバーが自家用車で移動し、日帰りで実施しました。交通費・飲食費等を含め、すべて議員の私費負担であり、政務活動費からの支出は一切ありません。